確かに理系には「研究内容が取っつきにくく、難しそう」というイメージがある。機械、建築、都市、航空宇宙、電子情報などの学問がIT(情報技術)や通信、機械加工に応用されて私たちの生活を豊かにしていることはいうまでもない。だが、その割に私たちの生活実感に結びついていないのが現実ではないか。大島教授は「理科系は科学技術と私たちの生活を結びつける接点だ。リケジョを増やすにはイメージと理系現場のギャップを埋める社会全体の取り組みが必要だ」とみる。
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大学はオープン・キャンパスや中高生向けの出張授業を実施して理系のおもしろさを発信する、企業は就職セミナーなどを通じて自社の門戸が開かれていることをアピールし、社内の女性の活躍の状況やキャリアパスをより明確に示す努力も行う。もちろん女性に限らず研究者が仕事と家庭を両立できるようキャンパスや研究機関に保育施設を整備するのは最低条件だ。
大学と企業の連携も求められる。ドイツでは大学と企業が「理系学生の就業促進協定」を結んで行政が助成金も出しているし、英国では博士課程の学生の奨学金プログラムとして企業内での研究経験を課している。技術革新のスピードは速く、企業の求める人材も変化する。研究者は研究室に閉じこもって論文を書くばかりではなく視野を広く持つべきだ。
経団連の企業行動委員会女性の活躍推進部会(部会長=野村ホールディングスの中川順子執行役員)は「人口減少社会を迎えた日本は就業人口も減少傾向に入っている。これを補うには女性の就業増が不可欠で、日本が今後も経済成長を維持できるかは女性の活躍にかかっている」と訴える。世界も日本に変革を求めている。12年10月、国際通貨基金(IMF)は日本への提言を発表し、日本の女性労働力参加率がイタリアを除くG7並みになれば1人当たりの国内総生産(GDP)が5%増え、さらに北欧並みになればさらに5%増えると試算している。