【モスクワ=遠藤良介】ウクライナが南部クリミア半島を併合したロシアとの軍事技術協力を停止し、その影響の大きさが指摘され始めている。ウクライナ東部には旧ソ連時代から軍需産業が集積しており、ロシア軍の武器や装備のかなりの部分を供給してきた経緯がある。ロシアはウクライナとの関係悪化を自国の軍需産業強化につなげたい考えだが、その打撃は決して小さくない。
ロシアが米国と張り合う戦略兵器では、主力大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「RS20B」を設計したのが、ウクライナ東部ドニエプロペトロフスクのユージュノエ社だ。同社が保守や修理を担ってきたため、ロシアは現状が続いた場合には自力で補修するなど対応を迫られる。このミサイルの誘導装置も、ウクライナ東部ハリコフの企業が製造している。
東部ザポロジエのモートル・シチ社は、Mi24をはじめロシア軍のほとんどのヘリコプターにエンジンを供給。ロシア艦船のガス・タービン装置も、ウクライナ企業の存在が際立つ分野だ。
ウクライナの軍需企業を傘下に収める国営「ウクロボロンプロム」は3月下旬以降、ロシアへの軍需品輸出を停止。プーチン露大統領は今月10日、ウクライナからの供給ストップが長期化した場合の対応策を検討すべきだと強調する一方、それが結果的に国内産業の強化を促すことになると楽観的な見方を示した。