【ビジネスアイコラム】ハングリーで愚かな者よ、創業特区に来たれ (1/2ページ)

2014.5.8 05:00

 10年後、福岡市はシアトルになる-。政府は3月末、そんな目標を掲げる福岡市を「国家戦略特区」の一つに選んだ。福岡市が政府に提案した「新たな起業と雇用を産み出すグローバル・スタートアップ国家戦略特区」(創業特区)は、法人税減免や経営者個人の保証見直し、解雇規制緩和など起業しやすい環境を整備して企業を増やし、今後10年間で50万人の雇用創出を狙っている。アベノミクスの「第3の矢」である成長戦略を牽引(けんいん)する意欲的な取り組みといえる。

 福岡市は、創業特区により全事業所に占める新規企業の割合を示す「開業率」を、現在の6.4%から10年後に20%に引き上げる数値目標も掲げた。現在の日本の開業率は4.6%。福岡市は全国平均より高いが、英米の10%台を大きく下回っている。

 50万人の雇用創出、開業率20%という目標を達成するため、福岡市は特区で実施する具体的な規制緩和のアイデア募集も今月18日まで行っている。高島宗一郎市長は「この規制を緩和すればこんな事業にチャレンジできるという提案や、民間企業が事業の上で障壁と感じたことを寄せてほしい」と話しており、アイデアも参考に創業特区の詳細を今夏にまとめる。

 現在の規制について広く意見、アイデアを求めることには賛成だが、創業特区で働く人、いまの高校生や大学生の声を将来、反映させる機会も必要となるはずだ。創業特区によって岩盤規制に穴はあけても、穴のあいた状態が新たな規制となって今後10年間の時代の変化に対応できなければ、起業は進まない。常に制度を改革し、起業を促す施策を打ち出し続けること、そして起業に失敗しても再チャレンジできる環境の整備が、開業率アップの鍵となるだろう。

 福岡市が標榜する米シアトルにはマイクロソフトやアマゾン、スターバックス、ボーイングなどの国際企業が本社や拠点を置く。シアトルは暮らしやすい町だからクリエイティブな発想が生まれ、チャレンジにつながると高島市長は分析。福岡市も住みやすいなどシアトルと共通点が多いとみる。

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