日米両政府は閣僚会合までに別途、事務レベルの協議で残された課題を詰めたい意向だ。しかし、「米国の担当者が日米協議の現状に不満を持つ議会や業界団体への説明に追われ、協議を再開できない状況」(交渉関係者)が続いている。
一方、今回の一連の会合では、特許権の保護を含む「知的財産」や国有企業改革を扱う「競争政策」などの分野も焦点だ。ここでは米国とベトナム、マレーシアなど新興国との主張が真っ向から対立する。
知的財産では、大手製薬企業の存在感が大きい米国が知財収入確保を狙い新薬の特許期間延長を提案。マレーシアなどは特許切れの安価なジェネリック医薬品(後発薬)が利用しにくくなるとして反発している。
TPPは、すべての交渉分野を同時に決着させ、包括的な協定を目指すのが大原則。ただ、日米間に加え、新興国と米国の調整という複数の方程式を一気に解決するのは至難の業。
日本政府内では、「今回は、交渉の進捗(しんちょく)の確認にとどまる」(政府高官)という弱気な声も聞こえる。(本田誠、三塚聖平)