自民党は18日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が19日からシンガポールで開かれるのに合わせ、西川公也TPP対策委員長(71)=栃木2区=ら最大規模となる4議員を現地に派遣した。聖域と位置付ける農産品重要5分野の関税維持に向け、難航する政府間交渉を側面援護するとともに、党の交渉力底上げを図ることで国内外に存在感を示す狙いもある。
西川氏は18日、シンガポールに出発する前、羽田空港で記者団に「主導権を取って国益全体を膨らませるため、2国間交渉をしっかり詰めるよう(政府を)督励したい」と語った。党の担当責任者として甘利明TPP担当相が譲歩しないよう圧力をかける構えだ。
シンガポールに向かった議員団は西川氏のほかに森山裕(69)=鹿児島5区、宮腰光寛(63)=富山2区、赤沢亮正(53)=鳥取2区=の各衆院議員。農村地域を選挙区に抱える当選3~6回生だ。
議員団は党内の意見を交渉に反映させる役割があり、2人ほどだった閣僚会合に合わせた現地派遣を前回から拡大。与党として農産品の関税維持が最重要課題であることを参加各国の政府関係者らに訴えて回った。大詰めを迎えている今回も4人を派遣した。
米国などは安倍晋三政権の高支持率を理由に、市場開放を決断するよう強く迫っている。このため、官邸筋は「議員団と政府が連携し、譲歩圧力を押し返してほしい」と期待を寄せる。
政府高官が「官邸や国会前のTPP反対デモが駐日米大使館前にも広がれば米国も日本国内の空気が分かるだろう」と漏らすほど、市場開放の要求は強い。
今後、党役員人事や内閣改造を控え、執行部には“老壮青”からなる議員団を派遣することで、党全体の外交交渉力を底上げしたい思惑もにじむ。