湖南省長沙市で2月に行われた就職フェア。Uターン就職では安定した政府機関が人気を集めるが、人材成長を促す環境は整っていないという(中国新聞社)【拡大】
中国青年報社会調査センターはこのほど、アンケートサイト「民意中国」およびインターネット企業テンセント・ホールディングス(騰訊)の携帯向けポータルサイト「手機騰訊網」と若者の就職に関する調査を共同で実施。それによると、6万5774人の回答者のうち89.3%が「故郷に帰って就職や生活したいと思ったことがある」と回答し、63.3%が「若者のUターン就職は政府機関への就職が多いと思う」と答えた。
回答者の年齢構成は、1990年代生まれが39.2%を占め、80年代生まれが43.4%、70年代生まれが12.4%、60年代生まれが1.8%、50年代生まれやそれ以上が3.3%。地域別でみると、1線都市(北京や上海、広州などの大都市)と2線都市が各33%、3~4線都市が18.1%、県・鎮・村が13.5%だった。
故郷にUターンして政府機関に就職する若者が多い理由について、48.9%の回答者が「地方で物事を行うにはコネが必要だから」と答え、14.8%が「安定を求めるためのUターンだから」と答えた。
このほか「地方には就職機会が少ない」「公平な競争の環境がない」「政府機関は福利厚生が良い」「給与が高い」「公務員は体裁が良い」「家族が政府機関の仕事を用意してくれた」などの回答があった。
北京のある大学教員は「高等教育機関の募集枠拡大で高学歴人材は増えたが、現在の経済や社会構造は大規模人材を収容しきれず、十分な地位を与えきれない。このため彼らは社会に出た後、理想と現実の大きな格差にぶつかっている」と指摘した。
また、上海財経大学商学院の鐘鴻鈞教授は「大都市での仕事はストレスが多く、一方で地方では選択肢が少ない。このことから、職業リスクを低減し、安定を求めるために政府機関に就職する」と分析。その上で「政府機関での仕事は流動性が小さく、若者が専門分野でさらに成長することができない。2~3線都市では職業訓練制度が整っておらず、系統的な訓練を行えないために、彼らの総合的な競争力をそいでしまう」と、懸念される点について語った。
さらに、大学生のUターンは地方に先進的な技能だけでなく、広い視野と革新的思考をもたらすが、これは地方企業には実現できないことだとして、「新卒者誘致に向けて、地方都市は仕事の面でより多くの成長の余地を与え、昇進やキャリアアップでより公平な競争環境を形成しなければならない」と主張している。(中国青年報=中国新聞社)