「政府の基本的方向性」を表明する安倍晋三首相=15日午後、首相官邸【拡大】
安倍首相は15日の会見の際、「南シナ海で緊張が高まるなか、集団的自衛権容認によって、日本の役割はいかに変化するか」との質問にストレートには答えませんでしたが、集団的自衛権が行使できれば、仮に戦争が勃発し、ベトナムやフィリピンが助けを求めてきても、彼らを見捨てないで済むのです。
中国牽制(けんせい)に向けて、東南アジア諸国が日本に寄せる期待は大きく、集団的自衛権の行使容認はこれに応えるものとなるでしょう。現行の憲法解釈に拘泥し、集団的自衛権行使を認めないことは、日本が空想的平和主義にまどろむことを意味し、事実上の“鎖国状態”が続いていることにほかなりません。
また、南シナ海の制海権を中国が押さえるような事態となれば、シーレーンを確保できず、日本として生殺与奪の権を握られることになりかねません。
--一部の国内メディアは、集団的自衛権について強く反対しています
もとより自衛権は、国連憲章にも認められた国家の自然権です。しかし、現行憲法は自衛権について何ら規定していないために、政府は集団的自衛権に関し、「保有するが行使できない」との立場をとってきました。
解釈改憲については、左翼陣営や護憲派からの批判もありますが、従来の憲法解釈を金科玉条とするあまり、国民の生命や安全、領土・領海を守れないのであれば、本末転倒も甚だしいでしょう。憲法や法律のために人間があるのではなく、人間のために法律があるのです。
しかし、集団的自衛権の行使容認が単なる対米追従路線の強化であってはなりません。戦後、日本は安全保障を専ら米軍に依存してきましたが、財政問題を抱える米国は軍事費の大幅削減を迫られており、アジア太平洋における米軍のプレゼンスが低下する恐れなしとは言えません。