マレーシア政府機関の全面協力で開かれた「日本ハラールセミナー2014」=2日、都内のホテル・コンラッド東京【拡大】
ハラールとは、イスラム法(シャリア)に基づいて「許されたもの・行為」であり、ムスリムにとっては身の回りのものや生活慣習など、すべてに関係する。その反対がハラーム(禁忌)であり、豚肉や豚由来のもの、アルコールなどで、これらのものが含まれた食品や化粧品などは一切、口にしたり、肌につけたりすることは許されない。さらに、調理場や材料を運ぶ輸送コンテナも完全に別にしなければならないなど、さまざまな規定がある。
非イスラム教徒にとってはなかなか理解が難しいが、マレーシアは00年に「ハラール食品の製造、調整、取り扱いおよび貯蔵に関する一般的ガイドライン(MS1500)」を策定。同国のハラール認証が世界中に広がるきっかけとなった。
さらに最近は原料のDNAレベルまで解析されるほど、厳密な取り組みが行われている。この結果、マレーシアでは先月、同国で生産したチョコレートから豚のDNAが検出されたとして大騒ぎになったほどだ。
これについて、セミナーに出席したJAKIMハラールハブ部門のハキマ課長は、本紙の取材に「製造過程には問題がなかった。DNAがなぜ検出されたのかを調べている」と述べ、JAKIMの認証に問題はなかったと強調した。
また、講演したHDCのジャミル最高経営責任者(CEO)は「食品の場合、多くの材料を使っている。管理システム全体をみていって初めて認証ができる。政府の管理が認証の効力を維持している」と語り、マレーシアのように国を挙げて取り組まなければ、信頼できる認証は発行できないと強調した。