【ビジネスアイコラム】植物工場が示す農地保護の意味 (2/2ページ)

2014.6.23 05:00

 「最近の技術進歩で栽培コストが下がり、固定資産税などのコストも十分にカバーできるようになった」-NPO植物工場研究会理事長で、今回の植物工場の実現にも協力した千葉大学の古在豊樹名誉教授はそう断言した。

 新鮮で美味しく、しかも安全な野菜が農地以外でも大量に栽培できるようになると、農地をさまざまな規制によって守る意味を改めて考えざるを得ない。

 日本の農地は約467万ヘクタールで、国土面積の約12%を占める。その7割以上を約235万戸の農家が所有するが、相続によって農地を所有する土地持ち非農家は年々増え続け、2010年で約137万戸。農地の約15%を保有し、その2割以上が耕作放棄地となっているのが実情だ。

 先月、民間機関が試算した消滅可能性都市が注目されたが、空き家問題が深刻化する地方では、所有者が不明な農地や森林も増え続けている。今は高齢の親が何とか守っている実家の田畑を相続するかどうかを思い悩むシニア世代は少なくないはずだ。

 安倍晋三政権は近く正式決定する新たな日本再興戦略で、農業を新たな成長産業へと育成するための規制改革を実施する。日本の美しい国土と風景を守ってきた農地を今後どのように維持・管理していくべきか。農業振興によって農地を守るという従来の考え方とは異なる別の発想も必要になっているのではないだろうか。(ジャーナリスト 千葉利宏)

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