共同記者発表を終え、メキシコのペニャニエト大統領(右)と握手する安倍首相=25日、メキシコ市(共同)【拡大】
安倍晋三首相が中南米外遊で最初の訪問地に選んだメキシコは、日本と歴史的な友好を積み重ねてきたことに加え、地域大国として経済、外交両面での協調関係を築いている。首相は今回の訪問で、これまでの友好関係を土台に太平洋を挟んだ両国の地政学的な協力を深化させたい考えだ。
「ペニャニエト大統領と今後の戦略的パートナーシップの強化についてじっくり議論することができた」
首相は25日昼(日本時間26日未明)、首脳会談後の共同記者発表でこう強調した。
今年は「慶長遣欧使節団」がメキシコに到着してから400年を記念する「日墨交流年」の2年目。明治21(1888)年に結んだ「日墨修好通商条約」は日本にとって最初の平等条約だ。平成16(2004)年にはシンガポールに続いて2番目に経済連携協定(EPA)も締結、「メキシコは日本外交にとっての最前線になってきた」(外務省筋)ともされる。
メキシコは今後5年間で60兆円規模のインフラ整備を計画しており、首相はトップセールスで日本企業の進出を後押ししていく考えだ。さらに首相は民主主義や法の支配、海洋の自由といった基本的価値観を共有するメキシコを「他の中南米諸国との関係強化に向けた橋渡し役」(同)と期待している。
「矢は3本だと折れないですよね」
首脳会談で首相から大統領に「三本の矢」の故事にちなんだ五月人形が手渡されると、大統領からは思わぬ反応も返ってきた。首相は国内の構造改革を断行する改革派のリーダーとして大統領に親近感を覚えているという。歴史的な友好関係に加え、首脳間の個人的な信頼感も深まったようだ。(メキシコ市 是永桂一)