モバイルゲーム市場は約4年前に出てきた新しい市場だが、以降大きく成長を続けており、2011年に600万ドル(約6億1560万円)だった市場規模は13年には1500万ドルとなっている(公式にリリースされたゲームの販売に限り、ライセンス未取得の海賊版を含まない)。
スマートフォン(高機能携帯電話)は急速に普及しており、13年のスマホ販売台数は700万台。そのためユーザー数も多く、PCゲームとほぼ同じ2000万人と、今後の成長が期待されるセクターである。
◆高まる開発能力
ベトナムではモバイルゲームのリリースにあたって政府への申請が義務付けられているが、80%以上が中国をはじめとした外国からの輸入であったり、PCゲームをモバイルに移植しただけのものが多かった。しかし、数年前から国内企業のモバイルゲーム専用のソフト開発が始まっている。
12年の主要プレーヤーはMeCorp(市場シェア42%)とMcCorp(同25%)で、それぞれ黎明(れいめい)期の10年、11年に事業を開始した。
MeCorpは古典的なMMORPG(多人数がオンラインで同時に参加するゲーム)を主軸商品としており、McCorpは新しい分野の開発技術に長けマルチプラットホーム(モバイル端末とPC)ゲームをベトナムに初めて導入した。
PCゲーム開発の大手企業も続々とモバイルゲーム市場に参入している。
VTC Gameはモバイルゲームに主軸を移しつつあり同市場シェアの8%を獲得。ベトナム大手のIT企業VNGとFPTも参入を始めた。
14年にはインドネシア、ニュージーランドなどへ海外輸出されるゲームも出てきており、ゲーム開発能力は徐々に高まっているようだ。さらに個人クリエーターの活躍も目覚ましく、Flappy Bird(Nguyen Ha Dong氏制作)が世界的に人気となったのは記憶に新しい。