TPP日米協議の終了後に記者会見する大江博首席交渉官代理=5日、ワシントン(共同)【拡大】
日米両政府は5日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関し、米ワシントンで2日間にわたって開いていた事務レベル協議を終えた。牛肉や豚肉の輸入が急増した場合に関税を引き上げる緊急輸入制限(セーフガード)をめぐって一定の進展はあったものの、双方の溝は依然埋まらなかった。次回協議は9月に行われる見通し。
日本側から出席した大江博首席交渉官代理は、米通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行との協議終了後の会見で、輸入制限に関しては発動基準などで歩み寄りを目指したが「まだ立場に差がある」と説明。「秋以降、できるだけ集中的に協議する」と述べた。
日米協議妥結の見通しについては前回7月の交渉時に言及した「数カ月以内」という方向性に変わりはないとの考えを示した。
終了後、米側は声明で「農産品の扱いをめぐる隔たりを埋める上で、いくらか進展した」とした。(ワシントン支局)