万歳章会長を再選した全国農業協同組合中央会(JA全中)が直面する最大の難題は安倍晋三政権が成長戦略の重要課題の一つに位置づける農業協同組合(JA)改革だ。JA全中は自己改革の議論を加速する構えをみせるが、組織温存に向け安倍政権による改革を骨抜きにしたいのが本音だ。抜本改革を目指す政権との攻防が激化する懸念は大きい。「自己改革はスピード感を徹底した議論を進めていくとともに、国民のみなさまにご理解いただけるよう検討していく」。万歳会長は同日の臨時総会後の会見で、こう強調した。
政府は年内に具体的な農協改革案をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する。その際、JA全中の自己改革案も踏まえて結論を出す方針。万歳会長が「改革案はJA自らが決めたい」と訴えたからだ。
そもそも、農協改革は一律的な経営指導に批判の多いJA全中などの影響力を弱め、全国約700の地域農協の創意工夫を引き出す狙いがある。政府が6月に閣議決定した新成長戦略はJA全中を頂点とする中央会制度について「自律的な新たな制度に移行」と明記した。