東大高齢社会総合研究機構特任教授秋山弘子さん【拡大】
■超高齢社会もピンチはチャンスに
--日本は世界で最も高齢化が進んでいる
「現在は4人に1人、2035年には3人に1人が65歳以上になる。そこで必要なのは町もインフラも商品も働き方も、高齢社会向けにつくりかえることだ。高齢化はこの先、どの国も直面する共通の課題で、日本が先駆けているだけ。学会などに出ればよくわかるが、世界は日本がどんな対策をとるかに注目している。日本は21世紀の人類的課題である高齢化のフロントランナーだ」
--高齢化はチャンスだと提唱している
「超高齢社会向けの技術革新や研究成果を日本の基幹産業に育成すべきだ。経済成長と高齢化が同時に進んでいるアジアは、日本の対策を模倣しようとしている。将来的に高齢化に対応した社会システムを輸出できれば、大きなビジネスになる。東大は産学連携のネットワークをつくり、13年度末時点で47社の企業とともに業界や分野を超えた研究と産業創生に取り組んでいる」
--東大の提案で高齢社会検定を昨年初めて実施した
「高齢社会で生じる問題解決策を社会全体で探る必要がある。とりわけ社会で働く現役世代の教育が課題だ。モノやサービス、政策を研究開発している行政や企業の人たちにこそ、高齢社会の基礎知識を身につけてほしいと考えた。検定は高齢者が幸せな老後を送るための指南が目的ではない。どんな職種も現代は高齢社会に対応せざるを得ない」
--高齢社会はネガティブにとられがちだが
「高齢社会というと、寝たきりの老人が社会にあふれるとイメージする人が多いが、実は元気な高齢者が増えることが、研究によって明らかになっている。日本の財産は何よりも高齢者の労働意欲が高いこと。60歳で隠居して年金生活に入るのではなく、高齢者が活躍できる仕組みをつくり直せばいい。ピンチはチャンスになる」