地方経済にとって、従来の公共事業は、副作用を伴うカンフル注射なのである。だが、もはや副作用に耐えられない地方が少なくない。それが「共倒れを招く」ということだろう。
ところが、選挙が近づくと旧来型のバラマキを求める声が強くなる。自民党議員の中にも「国土強靱(きょうじん)化」政策に便乗して、選挙区での公共事業の増大を求める動きが出てくる。安倍首相は就任以来、「古い自民党には戻らない」と繰り返し発言してきたが、その発言を守り通すことができるのかどうか。試される時が来る。
では、抜本的に地方経済を復活させるには何が必要か。
実は第1次安倍内閣も「地方」に手を付けようとした。「地域力再生機構」(仮称)を設立して、がんじがらめになって動かなくなったおカネの流れを復活させようと考えたのだ。
地方自治体の第三セクターや土地公社が抱える不良資産が地方の金融機関や自治体の財政を硬直化させている。それを解きほぐそうとしたわけである。
当時、未着手で終わった地方の「本質」問題は、結局、今もそのまま大半が残っている。これに安倍内閣はもう一度取り組むことができるのかどうか。「政権をかける」とまで言う安倍首相の本気度が問われる。(ジャーナリスト 磯山友幸)