【アジアの目】中国が警戒する「イスラム国」の脅威 (1/3ページ)

2014.9.4 05:00

チェン・ヨ・ズン氏

チェン・ヨ・ズン氏【拡大】

 ■元仏外交官 チェン・ヨ・ズン氏の視点

 緊迫したイラク情勢は新聞紙面を連日にぎわし、過激派の「イスラム国」がすさまじい勢いで勢力を拡大する中、米国は嫌々ながらも、再び軍事介入を始めた。その情勢が、イラクから遠く離れて一見、無関係にみえる中国にも深刻な懸念を引き起こしつつある。

 ◆新たな陸路に影響

 昨年11月、この欄で書いた「天安門炎上事件にみる中国の西進戦略」の中で、中国は今までの海路に頼る中東からのエネルギー供給に代わる陸路を開拓すべく、自国西部の新疆(しんきょう)から中央アジアを経由して中東に至る「新シルクロード」を開発する遠大な計画を推進していると述べた。

 その計画のためにも、中国は中央アジア、中近東のイスラム諸国と友好関係を保つ必要があり、新疆地方のイスラム系ウイグル族の過激さを増す独立運動にも慎重に対処しなければならないとも指摘した。

 実際、その後、中国は着々と中央アジア諸国との関係緊密化を進め、ロシアに取って代わって同地域の覇主の地位を手に入れつつ、同地域の天然ガス開発と輸入を実現し、大きなパイプライン網もほぼ完成した。

 一方、アフガン戦争終結と中東までの供給路作りを視野に入れて、アフガニスタンやパキスタンとの関係構築にも余念はない。この遠大な計画はイスラム勢力圏を通るため、中国は今までアフガン戦争で中立を固く守り、欧米と対立するイラン、シリアなどを支持し、「イスラムの味方」とのイメージ作りに懸命であった。

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