--環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉にどう取り組むか
「米国の経済研究所が(TPP合意により)日本は1000億ドル(約10兆5000億円)、米国は750億ドルの効果があると計算している。条件によって変わるが、経済効果があることは事実だ。効果があるならば、農林水産業を守りながら貿易拡大のための経済連携は進めていきたい」
--TPP交渉では米国が11月の大筋合意を目指している
「TPPが合意したことで日本経済が潤うという方向性が見えており、(合意は)早い方がいい。ただ、期限を決めたら交渉のカードを1枚失うことになるから、期限は決めない。合意に向け交渉官同士の協議で、しっかりと頑張ってもらう」
--農協改革についての考え方は
「戦後、経済の激変に耐えられなくなった農協が全国に増えたが、全国農業協同組合中央会(JA全中)の活躍で、最近は農協が経済的に困窮したという話はない。そうすると、農協法で守られた中央会でなければならない理由は何だという議論が当然出てくる」
--農協法上の中央会の位置付けが、来年の通常国会に提出する農協法改正案で主要論点になる
「農業の所得増大を図っていく上で、(農協法で守るか否かの)どちらが農家のためになるかを改革の判断基準にしたい。ただ、改革ありきではない。農協は自ら改革案を作ってほしい。農水省の考える法案とのすり合わせも必要になる」
--「攻めの農政」をどのように進めていくべきか
「これまでの農水省(の仕事)は農林水産物の生産(分野)に偏りすぎていた。どんな産業でも売れる場所を探さなければ産業の成長はない。需要を切り開くのも大切な仕事だ。需要開拓に取り組み、農産物が高く売れる状況を作りたい。東南アジアだけでなく、5億人市場の欧州連合(EU)や3億人以上の米国に向けてコメや牛肉、乳製品を日本ブランドとして輸出していきたい」