発電所はマンダレー中心部からみて南に当たるミンジャンとメイッテーラに造られる予定で、米側の発表では建設に携わる労働者400人と、完成後に必要な100人の職員について、現地で募集し、研修が行われるという。
また、建設のための道路やインフラ整備、さらに同発電所の電力はマンダレー近郊のミョータ工業団地にも供給されることから、同工業団地の振興にもつながることが期待される。
◆労働者の権利改善
さらにフロマン氏は、米国は今回のプロジェクトと合わせ、ミャンマーでの労働者の権利を改善するためのプロジェクトも進めることを明らかにした。それによると、労働条件の改善にとどまらず、労働者と企業、労働者と政府の政策との関係構築なども含まれる。フロマン氏は「よりよい労働環境があれば、米国は発展途上国との通商関係を加速させることができる」と述べ、ミャンマー政府に労働条件の改善や労働組合との関係づくりなどに取り組むように求めた。
米国では、米議会の一部にいまだ、ミャンマー政府が進める民主化や少数民族対策が不十分だとする批判が根強い。
しかし、オバマ米政権は中国牽制(けんせい)に加え、東南アジア地域への関与を強める意向であり、なかでも重要な地域にあるミャンマーについては、これまで民主化と改革を進めてきたテイン・セイン政権を支持する姿勢を示している。ケリー国務長官も先月、テイン・セイン政権に対する支持を続ける考えを明らかにしている。
こうした米政府の姿勢に対し、ミャンマー国内の野党勢力、特にアウン・サン・スー・チー氏を支持する勢力からは「米国はアウン・サン・スー・チーを忘れてしまったのか」(イラワディ誌)とする声も挙がる。しかし、いったん、かじを切った以上、米国が投資拡大に本腰を入れるのは確実だ。今回の太陽光発電プロジェクトはその始まりといえるだろう。(編集委員 宮野弘之)