三菱UFJモルガン・スタンレー証券が都内で開いた外国株式のセミナー。個人投資家の関心が高まっている=9月11日【拡大】
米国などの外国株式に対する個人投資家の関心が高まっている。円安が進めば為替差益を得られるほか、先月には中国の電子商取引大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ)がニューヨーク証券取引所に上場するなど話題性も十分だ。足元では軟調だが、米国株は今年、史上最高値を何度も更新しており、分散投資の中で、外貨建て資産への配分を増やすという投資家のニーズもある。
「世界に目を向けることで、魅力的な投資対象が広がる」
野村証券エクイティ・マーケティング部の柴田吉丈部長はこう強調する。例えば、米国では日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やコカ・コーラなど、25年以上増配を続けている企業が数十社もある。こうした企業は新興国を含めた世界市場で高いシェアを持っているため、世界全体の経済成長の恩恵を受けやすいという。
野村は外国株販売強化に向け、認知度の向上に取り組む。外国株に関する既存顧客向けセミナーを5月から始め、すでに1千人以上が参加した。また、外国語で書かれたリポートを和訳する態勢も整え、前年より20銘柄多い190銘柄の情報を提供している。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、円安ドル高によるドル資産運用ニーズの高まりなどをうけ、昨年10月に外国株による収益が過去最高となった。先月、都内で開かれた外国株式セミナーで長岡孝社長は「世界経済の成長の果実を十分に受け止めるためには、米国株のような外国株を視野に入れ、バランス良く分散投資をしていく必要がある」と強調した。
外国株関連の商品を充実する動きも活発だ。楽天証券は4年前と比べて、米国株の取扱銘柄数を倍増している。「アリババやアップルなどの銘柄を中心に、預かり資産残高は増加傾向にある」(同社)という。SMBC日興証券では9月、海外市場に上場するETF(上場投資信託)の取扱銘柄数を16銘柄増やし、45銘柄とした。
外国株への投資には為替リスクがあるほか、米国の量的金融緩和も今月終わる予定で、金融市場が混乱する恐れもある。ただ、一段の円安を予想する市場関係者は多く、物価上昇で預貯金が目減りすることを意識した「貯蓄から投資へ」の流れが強まれば、分散投資の選択肢としての外国株人気も高まりそうだ。(高橋寛次)