【香港民主化デモ】対話合意も占拠拡大 民主派に足並みの乱れ

2014.10.3 18:53

3日、香港九竜地区のモンコック(旺角)駅前で、親中派の男らの襲撃からデモ隊を守る警察官(田中靖人)

3日、香港九竜地区のモンコック(旺角)駅前で、親中派の男らの襲撃からデモ隊を守る警察官(田中靖人)【拡大】

  • デモ隊が政府庁舎の入り口前に設置した鉄柵を撤去しようとする警備員(手前)ら=3日、香港(共同)
  • 職員の出勤を阻止するため、政府庁舎の入り口前に鉄柵を設置するデモ隊=3日、香港(共同)

 【香港=河崎真澄、田中靖人】香港で「真の普通選挙」を求め、幹線道路などを占拠する民主派の街頭行動は、連休明けの3日も続いた。香港政府と学生団体の大学生連合会(学連)が2日深夜(日本時間3日未明)、対話することで合意したにもかかわらず、デモ隊の一部は占拠を拡大。足並みの乱れが露呈した。

 学連は当初、2日夜までの梁振英行政長官の辞任を要求、デモ隊が政府庁舎と長官弁公室(官邸)の周辺に押し寄せ、その数はピーク時に数万人に達した。

 学連の対話受け入れで学生の大半がその場を離れたが、一部のデモ参加者が3日午前、周辺の道路を封鎖したため、政府庁舎が一時閉鎖に追い込まれた。占拠6日目で、政府機能が一時まひする事態となった。

 官邸前では3日朝、警官らの食事を運ぶトラック2台がデモ隊に阻まれた。また、官邸から車両が出る際に警官が強制的に通路を確保。一時混乱になった。

 一方、九竜地区のモンコック(旺角)では、街頭占拠に反対する親中派の市民団体や付近住民などが、デモ隊のテントを引き倒すなどして衝突し、警官隊が人垣を作って引き離した。

 香港市内では、3日も200以上の路線バスが運行を停止したり、ルートを変更したりして、交通混乱が続いた。一部の小中学校は3日も休校。市民生活への影響が深刻化している。

 香港の株式市場は連休明けの3日、通常通り取引が行われた。前営業日までの下落で割安感が出てやや反発。デモ影響による下落傾向にストップをかけた。

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