経済財政諮問会議であいさつする安倍首相=21日、首相官邸【拡大】
政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は21日、2015年度予算編成に向けた社会保障費と予算管理のあり方を議論した。社会保障費では15年度に改定を迎える介護報酬を検証。多くの介護施設で経営規模が同水準の一般企業に比べて利益率が高い背景を厳格にチェックするよう求めた。全国6000超ある社会福祉法人が計2兆円保有する内部留保は、地域の介護支援活動で国民に還元するなどし、「メリハリの効いた介護報酬の適正化」(安倍首相)を目指すべきだとした。
医薬品の公定価格(薬価)については、大病院や大手ドラッグストアが卸売業者からの納品時に薬を大量に安く仕入れている影響で、市場価格が公定価格より8%安く取引されている実態を問題視。現在は2年に1度の薬価改定を、今後毎年改定に見直すことを視野に、15年央までに市場調査を実施し、予算に反映する仕組みを実現するよう提言した。
一方、予算管理については、00年度から13年度に編成された補正予算総額が計41兆円にのぼり、景気対策として常態化している点を「財政規律が明確でない」と指摘。当初予算との総額で財政規律を強化すべきだとした。14年度予算で成長戦略など重点施策に配分した「優先課題推進枠」に対しては「予算確保の手段になっている」と批判した。