財務省は11日、2014年度上半期の国際収支速報を発表した。経常収支は2兆239億円の黒字となったが、比較可能な1985年度以降での年度の上半期としては過去最少の黒字額となった。9月単月の経常収支は3カ月連続で黒字になった。
上半期の経常収支は、「貿易・サービス収支」が前年同期より7598億円赤字が拡大し、6兆2125億円の赤字となった。このうち「貿易収支」は6456億円赤字が増えて4兆3974億円の赤字となった。輸出入とも拡大しており、輸出は1兆8959億円増えて36兆1668億円。輸入は2兆5415億円増えて40兆5641億円となった。サービス収支も1142億円赤字が増えて1兆8152億円の赤字となった。
輸出は加工機械や自動車、科学機器などが増えた。これに対し、輸入は液化天然ガス(LNG)や半導体、電子部品が増えた。国際市況の軟化で原油の輸入額は減少した。
貿易・サービス収支の赤字を、海外への投資から得られる利子や配当などを示す「所得収支」がカバーした。主力の第一次所得収支は1304億円黒字が増えて9兆1487億円の黒字となった。
9月単月の経常収支は3683億円黒字が拡大し、9630億円の黒字となった。8月より拡大した。内訳は以下の通り。
▽貿易・サービス収支=赤字9228億円(前年同期比で564億円縮小)
▽貿易収支=赤字7145億円(10億円拡大)
▽うち輸出は6兆4682億円(6732億円増)
▽うち輸入は7兆1827億円(6742億円増)
▽サービス収支=赤字2083億円(574億円縮小)
▽第一次所得収支=黒字2兆352億円(4008億円拡大)