「利回りというよりもマーケットのいろいろなビジネスの担保にするために、残高をゼロにするわけにはいかない」(先のメガバンクトップ)というわけだ。
だが、この維持されるべき国債の残高は、あくまで平常時の水準であり、突然の長期金利の上昇に備え、迅速に残高を落とせる態勢を作っておく必要はある。このためメガバンクなどは金利上昇に備えたストレステストを繰り返し行い、総じてデュレーション(国債の残存期間)を3年以内に抑えている。「金利は15年度の大きな不確定要素なので、注意深く見ていく」(メガバンクトップ)としている。
12月1日に、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは日本国債の格付けを「Aa3」から「A1」に1段階引き下げた。消費増税の延期に伴い20年度の財政健全化目標の達成に不確実性が高まったことが理由だ。「中期的に国債利回りが上昇し、債務返済能力が低下するリスクが高まっている」(ムーディーズ)と指摘している。金融機関が懸念する不測の金利上昇(国債価格の低下)は突然訪れる。国債の市中発行の9割も日銀が買い入れる現状は、財政ファイナンスと受け止められかねないリスクをはらむ。15年は国債管理に焦点が当たることになろう。(ジャーナリスト 森岡英樹)