【高論卓説】景観破壊は訪日観光客の失望招く 千葉利宏 (2/3ページ)

2015.1.8 05:00

 台東区の推計では、浅草寺や上野公園などがある同区を訪れる外国人旅行者は年間400万人を超える。東京都の外国人旅行者行動特性調査でも、都内で訪れる場所は新宿・大久保、銀座に次いで浅草は3位。外国人旅行者の行動も日本食、ショッピング、街歩きに次いで神社・寺など歴史的・伝統的景観の観光が人気だ。

 昨年、テレビや新聞で大きく取り上げられた忠臣蔵で有名な泉岳寺に隣接する8階建てマンション建設問題だが、年末に現場を訪れるとついに基礎工事が始まっていた。完成すれば、歴史的な景観を破壊するだけでなく、観光スポットとしての価値を損い、地域コミュニティーにも大きな傷跡を残すことになるだろう。不動産事業者としても、このまま事業を進めるのはリスクが高いことは分かっているはずだ。

 日本では不人気だったが、2013年に赤穂浪士を題材にしたハリウッド映画「47RONIN」が公開されて、泉岳寺を訪れる外国人旅行者も増えているという。正月のNHK番組で紹介していたイタリア大使館にも、かつての大名庭園の一角に赤穂浪士の石碑が建てられ、赤穂浪士はイタリアでも有名だと大使が話していた。

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