輸出企業の関税負担が軽減されれば、企業の利益が膨らむだけでなく、海外市場での価格競争力も高まる。円安に加えて法人実効税率の引き下げが決まったこともあり、企業の生産拠点が国内に回帰する動きが足元で出始めている。メガFTAの実現で輸出競争力が強化されれば、国内の雇用の維持や拡大につながることが期待される。
効果は関税負担の軽減だけではない。米ピーターソン国際経済研究所は非関税措置の削減やサービス・投資の自由化も含め、国内総生産(GDP)を押し上げる効果を推計した。
それによると、TPPでは日本のGDPが2025年に07年より1050億ドル(約12兆3000億円)、RCEPで960億ドルそれぞれ増える。TPPの効果は米国の770億ドル増を大きく上回る。TPP交渉に参加していない中国はTPPの実現でGDPが350億ドル押し下げられる一方、交渉に加わっているRCEPでは2500億ドル押し上げられるという。
日本にとっては、メガFTAの牽引(けんいん)役を担うTPPの早期交渉妥結が急務となる。