開通目前のネアックルン橋で笑顔を浮かべる長大・オリエンタルコンサルタンツ共同企業体の橋梁エンジニア・安部善憲氏(左)。カンボジア人エンジニアたちとともに建設に取り組んだ(月刊プノン編集部・松藤浩一撮影)ケーブルが張り巡らされた「つばさ橋」は鳥の翼のように美しい=メコン川のネアックルン橋(月刊プノン編集部・松藤浩一撮影)【拡大】
また、雨期と乾期では水量が変化し、水位の差が8メートルにもなる。さらにメコン川を往来する貨物船も問題なく通れるようにするため、橋の高さは最高水位から37.5メートルとなっている。
◆大量の不発弾処理
建設には予想外の事態も起きた。橋の建設地は、かつてポル・ポト派の弾薬庫があったところで、工事開始前には4000発以上の不発弾が埋まっていた。
建設はまず、この不発弾を処理することから始まった。カンボジア国軍や、カンボジア地雷対策センター(CMAC)が調査・撤去し、これまで、人的事故は1件も発生しなかった。
また、11年にはカンボジア史上最悪ともいわれた大規模洪水が発生。カンボジアのほとんどの州が浸水するという大きな被害に見舞われた。工事現場でも、工事用の船着場が浸食されて崩れてしまった。
こうした困難を乗り越えて、「つばさ橋」(ネアックルン橋)は完成間近となった。フン・セン首相が明かした新五百リエル札には、01年にやはり日本の援助で建設された愛称「きずな橋」とともに、「つばさ橋」や日の丸を刻んだ記念碑が描かれる。
現地紙の報道によると、フン・セン首相は、新札のデザインは日本への感謝を示すためとしており、「日本とカンボジアの友情と協力を示すために新札を発行する」と述べた。(カンボジア月刊邦字誌「プノン」編集長 木村文)