2日、米ワシントンの国土安全保障省で、2016会計年度予算教書について演説するオバマ大統領(AP=共同)【拡大】
【ワシントン=小雲規生】オバマ米大統領は2日、2016会計年度(15年10月~16年9月)の予算教書を議会に提出した。オバマ氏はワシントン市内で行った予算教書に関する演説で、富裕層などへの増税措置で確保した財源を中間層支援を狙った歳出拡大や経済活性化策に回す方針を示し、議会に協力を求めた。
歳出総額は3兆9990億ドル(約470兆円)。このうち国防費とそれ以外の裁量的な支出による政策経費は歳出の強制削減で定められた水準を740億ドル上回った。一方、富裕層などへの増税措置で歳入も確保し、財政赤字は4740億ドルに抑えられる見通しだ。
10年間で1兆2千億ドルの予算カットを目指す歳出強制削減は13年3月の発動後、与野党の合意で14、15年度分は緩和されている。しかし議会で新たな対応が取られなければ16年度に復活して歳出規模が大きく落ち込み、経済活動に悪影響が出る懸念がある。
オバマ氏は演説で、歳出強制削減が緩和されたことが現在の好調な経済の一因だと主張。「予算教書は歳出強制削減を終わらせ、国内の優先事項に予算を振り分けることを意図している」とし、議会に歳出強制削減の復活阻止を促した。
予算教書では、中間層支援策として共働き夫婦に対する500ドルの税額控除の新設などが盛り込まれたほか、富裕層への増税策として投資からの配当や値上がり益への課税強化などが打ち出されている。法人税率の引き下げや自由貿易協定で不利益を被った労働者への支援策も盛り込まれた。