日米両政府は3日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関連し、農業と自動車の市場開放をめぐる事務レベル協議を終えた。それぞれの分野で一定の進展はあったものの合意には至らず、日米の閣僚級会合の早期実現を目指して月内にも再交渉することで一致した。
農業分野を担当する大江博首席交渉官代理は協議後の記者会見で「少なくとも、あと1回は事務レベルでやる」と話した。オバマ米政権が今後数カ月での全体合意を目指していることを念頭に、「残された時間はあまりない」と強調し、閣僚級会合に向けた準備を急ぐ考えを示した。
また、大江氏とは別に記者会見した自動車分野を担当する森健良経済外交担当大使は「小さな問題を相当片付けたという進展があったが、大きな問題は残っている」と発言。そのうえで、米国の自動車部品関税の引き下げに関する交渉が難航していることを示唆した。一方、「なるべく早く閣僚級会合を開きたい。もう一息だと思う」とも述べ、今後の進展に期待を示した。
米側からは、米通商代表部(USTR)のベッター農業担当首席交渉官、カトラー次席代表代行らが協議に参加した。