IMFは今、日本を含む理事会で元を自由利用可能通貨として認定するか、検討中だ。5年前に比べて、情勢は大きく変わった。IMFの重鎮、英国はロンドン金融市場での元取引をビジネス・チャンスとし、チベットなどの人権問題での中国批判を差し控えるほどだから、人民元支持に回る公算が大きい。
自由利用可能通貨となれば、元はIMFが持つ合成通貨「SDR(特別引き出し権)」を構成する主要国際通貨の一角に組み込まれる。SDRは現実には流通していないが各国の外貨準備用として使われているだけに、政治的意義を持つ。
現在、SDRはドル、ユーロ、円、ポンドの4大自由利用可能通貨で構成され、保有国はSDRをこれらの通貨と交換できる。中国の元が加わると、世界各国の通貨当局や中央銀行は人民元を外貨準備として持つようになるので、元は国際決済用として一挙にグローバルに普及する道が開ける。しかも、元はSDR構成通貨中、円に代わってドル、ユーロに次ぐ第3位にランク付けられる見通しが、英金融筋から聞こえてくる。だが、ちょっと待て。元にSDR通貨の資格はあるのか。