物価上昇率に応じて元金が増える物価連動債(満期は10年)についても、今年1月から個人への販売が解禁された。だが、足元の物価上昇率が緩やかな上、「多くの投資家は10年後の物価を見通すのは難しい」(国内証券)ため、需要がほとんどない状況だ。
日銀の資金循環統計などによると、家計の国債保有割合は、ピーク時(08年12月末)の4.6%から1.9%まで低下する一方、民間金融機関が国債の6割を保有している。将来、日本の財政不安を背景に国債価格が急落(金利は急騰)すれば、銀行経営が不安定になり、経済を下押しする懸念がくすぶる。そのため、財務省は海外投資家や国内の個人向けの販売を強化し、国債保有の分散化を進めてきた。
日銀は物価上昇率目標の達成を目指しており、当面は大規模な金融緩和策が続くとみられる。足元では、16日の国債市場で長期金利の指標である新発10年債の終値利回りが、前週末比0.030%高い0.445%だった。金利低下が一段と進めば、財務省は国債の販売戦略の見直しを迫られる可能性もある。