現在の訪日客の急増は円安効果が圧倒的に大きい。台湾や中国本土から来る人が大きく増えているが、現地通貨が相対的に強くなり、旅行代金が大幅に安くなった。加えて、日本国内で買う高級ブランド品や身の回り品、化粧品などの価格が、自国で買うよりも低価格になっているという。
これには理由がある。輸入高級ブランド品の場合、円高期に仕入れたものが円安になっても価格改定されずに売られていたり、値上げが円安に追い付いていないケースが少なくない。日本製品の場合、長期のデフレによって低価格化が進んでおり、円安になっても値上げされていない。円高から一気に円安に振れた経済の急激な変化に対応できず、結果として、日本がアジアの大バーゲンセール会場になっているのだ。
だが、この状況は長続きしない。円安が定着し、輸入品の国内価格は急速に上昇している。原材料費の上昇で、日本の価格破壊も収束気味だ。今後も円安が進まない限り、セールは早晩、閉幕する。低価格だけを目的にやってくる外国人客が頭打ちになる可能性は十分にあるのだ。
問題は、そうなっても日本にやって来てくれる外国人を、どうやって増やすかだ。日本の本当の良さ、素晴らしさを磨く努力が不可欠だろう。そしてそれをどう外国人に理解させ、魅力を感じてもらうか。
フランスには1年間で8000万人の外国人が訪れるという。ブームに沸いている今のうちにやっておくべき事は多い。
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【プロフィル】磯山友幸
いそやま・ともゆき 早大政経卒。日本経済新聞社で24年間記者を務めて、2011年に独立。52歳。