世界のスマートフォン生産台数をみると、中国の生産量が群を抜いており、一貫して伸びている。世界的に人気の高い米アップル「iPhone(アイフォーン)」の生産を担っているほか、中国のメーカーが低・中価格帯の端末でシェアを伸ばしていることが要因だ。
一方、韓国や台湾の生産は勢いが弱い。韓国サムスン電子が工場を構えるベトナムも生産量を伸ばしているが、サムスンの勢いに陰りがみえており、ベトナムの今後の生産については懸念が残る。
日本の通信機輸入をみても、韓国や台湾からの輸入が直近で減少しているのに対し、中国からの輸入は一貫して増加している。日本の場合は、他国に比べて特にアイフォーンのシェアが高く、この輸入増によるところが大きい。
日本をはじめとしてアイフォーン人気の勢いは根強いことに加え、新興国では中国メーカー製の低・中価格帯スマホ需要の拡大が期待できることからも、しばらく世界のスマホ生産は中国がリードしていくことが見込まれる。(編集協力=日本政策投資銀行)