収入の半分を、アルバイトで得るとなると、みんな必死でアルバイトをする。
中国駐在の日本人Aさんは、ある日会社の中国人スタッフにこう言われて驚いたという。
「大事な仕事は週の後半に入れてください。週の前半はアルバイトが入りやすいので」
日本語に堪能なそのスタッフが、通訳・翻訳のアルバイトをしていることは知っていたが、ここまで堂々と言われると、Aさんが長年抱いてきた「会社員の常識」が、がらがらと音をたてて崩れていくような気がしたという。
私も中国人と一緒に仕事をして約10年、スタッフのアルバイトは最も頭の痛い問題だった。彼らのアルバイトの都合で、何度収録日程を変更したことだろう。本業を優先させてくれというと、「私は家族を養っていかなければならない。もっと気を遣ってくれ」と逆に怒られた。
中国人社員のアルバイトは、現地駐在員にとっては頭痛の種である。しかし、そのお金がまわりまわって、日本経済に還流しているとなると、気持ちは大変複雑である。