日銀の新しい審議委員に任命され、就任会見を行う原田泰氏=26日、東京都中央区【拡大】
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「目標達成を急ぐ黒田氏の“いさめ役”になるかもしれない」と分析する。
ただ、原田氏は「日銀が国債を追加購入できる余地はまだある」とも主張しており、野村証券の高橋泰洋エコノミストは「仮に、黒田総裁がもう一段の追加緩和を提案した場合は反対しないだろう」と語る。
国債を大量に買う大規模緩和について、国の借金を日銀が肩代わりする財政ファイナンスとの批判もあるが、原田氏は「金融政策で景気が良くなり税収が増えれば、財政も良くなる」と持論を語った。
6月末には、追加緩和に反対票を投じた森本宜久審議委員も退任する。東京電力副社長出身の森本氏の後任には産業界からの登用が噂されるが、官邸主導でリフレ派の学者やエコノミストを送り込む公算も大きくなっている。