9日に成立した平成27年度予算は、経済成長と財政再建を両立し、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の加速を目指すものだ。29年4月の消費税率10%引き上げまでに景気を上向かせ、再増税に耐えうる足腰の強い経済を定着させられるのか。27年度予算の役割をQ&A方式でまとめた。
Q 通常3月の予算成立が4月にずれ込んだ
A 昨年末に衆院解散と総選挙が行われた影響で予算編成の作業が遅れた上、閣僚の「政治とカネ」をめぐる問題が相次ぎ、国会の審議日程もずれ込んだ。政府は4月1日から11日までの期間を対象に、人件費など最低限の経費を盛り込んだ約6兆円規模の暫定予算を2年ぶりに組んだが、9日に成立した予算に一本化される。
Q 予算の特徴は
A 地方に予算を重点配分した点だ。アベノミクスに伴う円安株高で大企業の業績改善が進んだが、昨年4月の消費税増税は家計や中小企業を直撃し、景気を左右する消費が大きく落ち込んだ。予算では新規就農支援や地方への移住促進など地方活性化策に計7500億円の予算を確保した。自治体が使い道を自由に決められる1兆円の新たな歳出枠も設けた。昨年12月に決めた3兆円超の緊急経済対策に続き、切れ目ない施策で景気を底上げし、経済の好循環を全国に波及させる狙いがある。
Q 暮らし向きはよくなるか
A 消費税増収分を使い、子育て支援や認知症対策、介護職員の処遇改善など社会保障制度も手厚くした。今年の春闘では幅広い業種で昨年を上回る賃上げも実現した。国民が先行きに明るさを実感すれば消費が持ち直し、経済を回復軌道に乗せることができる。予算について麻生太郎財務相は、「今から成果が問われることになる」と述べた。
Q 課題は
A 歳出総額は過去最大を更新して100兆円規模に迫り歳出と歳入両面で抜本改革は手つかずだ。日本の財政への信認を維持するためには、1千兆円超に膨らんだ債務残高を減らす努力が欠かせない。