環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉をめぐり、日米両政府が日本から輸出する自動車部品に米国がかける関税の一部をTPP発効後に即時撤廃する方向で調整に入ったことが15日、分かった。自動車部品関税の即時撤廃はTPPの日米協議で日本が確保したい最大の“果実”と目されるが、米国は難色を示していた。同日東京都内で再開した日米の事務レベル協議で対象品目など詳細を詰める。
自動車部品への関税は日本側が0%なのに対し、米国は2.5%。これまでの協議では、日本の即時撤廃の要求に対し、米国は当面維持したい意向を示していた。だが、ここにきてTPP交渉全体の早期妥結に向けて、一部品目の即時撤廃は容認する方針に転じたもようだ。
日本が米国に輸出する自動車部品は400品目近くある。事務レベル協議では、即時撤廃の対象となる品目の範囲とそれ以外の品目の関税撤廃を猶予する期間について話し合う。日本はタイヤやエンジン部品など輸出額の大きい品目を中心に対象範囲をできるだけ広げたい考えだ。
ただ、米国は自動車労組が自動車部品関税の即時撤廃に反発しており、国内の理解を得られる範囲に抑えたい意向とみられる。猶予期間も日本の想定より長期を求める可能性が大きく、調整は難航も予想される。