政府が平成32年度の財政健全化達成に向け目標に掲げる国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)黒字化の手法をめぐって、官邸と財務省・自民党との間で対立軸が鮮明になってきた。財政健全化実現には、9兆4千億円のPB赤字削減が必要だが、官邸サイドは、歳出削減額を5兆~6兆円、歳入増を4兆~5兆円とするよう提案した経済財政諮問会議の提言に同調。一方、財務省と自民党は歳出削減を中心に黒字化を目指すべきと主張しており財政再建の方向性は見通せていない。
「健全な経済成長の中で初めて財政再建ができる。単純な歳出カットをすればデフレに戻ってしまう」。15日の閣議後会見で甘利明経済再生担当相は財務省がPB赤字額の9兆4千億円のうち、8兆円を歳出削減で対応するよう主張していること明かしたうえで、こう発言した。
背景にあるのが12日の経済財政諮問会議における民間議員の提案だ。民間議員は公的部門の民営化や社会保障費を削減した自治体への優遇策導入で、9兆4千億円のPB赤字のうち、歳出削減を5兆~6兆円にとどめ、残りの4兆~5兆円を経済成長による歳入増でまかなうべきと提案。安倍晋三首相も「経済再生なくして財政健全化はない。経済財政運営の基本哲学だ」と理解を示した。