「バラ色」の財政健全化策に警鐘 痛み甘受、問われる政府の覚悟 (2/2ページ)

2015.6.2 06:04

 ただ、2017年4月の消費税率10%への引き上げによる税収増を織り込んでも20年度の基礎的財政収支(PB)は9.4兆円の赤字が残る見通し。民間議員は、経済成長に伴う税収増で赤字の大半は解消されるとするが、財政審は不確実性のある歳入増をあてにした歳出の増加を招けば、さらなる国民負担につながると危機感を抱く。

 とはいえ、社会保障の効率化を改革の柱と位置づける点では、民間議員と財政審は共通している。財政審は、建議で高所得の高齢者の年金減額や後発医薬品の使用促進、診療報酬の適正化などを求めたが、民間議員も同じ考えだ。焦点は改革案がどこまで財政健全化計画に盛り込まれるかに移る。

 すでに、政府・自民党内からは来年夏の参院選を控え、「具体的に書き込めば高齢者から不評を買う」(閣僚経験者)との声が漏れる。経済再生と財政健全化の二兎を得ると繰り返す安倍晋三首相。痛みを伴う改革に切り込めるか、覚悟が問われている。(尾崎良樹)

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