米議会上院でTPA法案が可決されたことに関し、記者の質問に答える安倍首相=25日午前、首相官邸【拡大】
このため、これまでの交渉で強硬姿勢の目立った米国が難航分野で他の参加国の受け入れ可能な内容まで譲歩できるかは読み切れないのが現状だ。
日本の重要農産品の関税の扱いなどをめぐる日米協議は課題が絞り込まれてきているが、日本が設ける方向のコメの無関税輸入枠の規模では折り合えていない。高水準の自由化を要求するTPA法を盾に、米国が日本の許容範囲を超える規模を求め続ける懸念は否定できない。
事情は12カ国全体の交渉でも同じだ。
最難関とされる知的財産分野では、有力な新薬メーカーを多く抱える米国が新薬データの保護期間を10年以上にすべきだと訴えるのに対し、マレーシアなど新興国やオーストラリアは薬価を抑えようと3~5年を主張している。
TPA法案は知的財産についても「満足のいく効果的な保護策の強化」を要求しており、参加国内では「米国の軟化は難しいのではないか」と懐疑的な見方も出ている。
TPP交渉はTPA法案の審議が長引き停滞していたが、法案の成立で一気に動き出すのは間違いない。だが、やはり米国の動向が交渉の行方を大きく左右することになりそうだ。(本田誠)