将来は地域の核となる大学の準備も進んでいる。今年開校予定の大学は、「キリロム工科大学」と名付けられ、全国から学科試験を通った優秀な学生たちが集まる。全寮制で、授業料は企業からの協賛による奨学金制度を採り入れる予定だ。卒業生は、協賛企業に就職する道も開ける。第1期の定員は50人で、すでに300人が受験しているという。
猪塚社長は、日本で98年にデジタルフォレストを設立。NTTコミュニケーションズに同社を売却後、10年に日本を離れ、新たな事業地としてシンガポールを含むアジア各地を見て回った。その中でカンボジア・キリロムを選んだのは、外資制限が少ないことと、親日性の高さ、そして「今のカンボジアだからできる事業」だと思ったからだという。
「人を育てる教育事業は国造りでもある。これに関わることができるのは途上国ならではの醍醐味(だいごみ)。また、たくましく、機転の利くカンボジアの人たちが、高等教育でロジカルな発想を身に付けたらさらに伸びる。勝算はあると思う」。猪塚社長は力強く語った。(カンボジア月刊邦字誌「プノン」編集長 木村文)