政府が8月中の大筋合意を急ぐのは、米国では2016年に入ると、11月の大統領選に向けた動きが本格化するため、15年内にTPPの協定への署名までこぎ着けないと、交渉が漂流するとの危機感があるからだ。署名の90日前に合意内容を米議会に通告する必要があり、日程を逆算すると「8月末か、遅くても9月上旬の大筋合意がギリギリのタイミング」(交渉筋)とされる。
日本にも国内事情がある。今秋の臨時国会でTPP関連法案や農業支援策を整え、来夏の参院選で「TPP反対派の農業票離反を食い止め、不安要素を取り除きたい」(与党関係者)というのが政府・与党の本音だ。
7月の閣僚会合では、ニュージーランドが乳製品の輸出拡大で過大な要求を日米に突きつけ、交渉がストップ。新薬の開発データの保護期間でも、12年を求める米国と5年以下に固執するオーストラリアなどとの対立の溝は深いままだ。「1カ月弱で状況を好転させるのは厳しい」(交渉筋)とみられ、大筋合意へのハードルは高い。