インド北東部アッサム州の店舗で撤去されるネスレの即席麺マギー製品(AP)【拡大】
スイス食品大手ネスレのインド法人ネスレ・インディアは、同社が製造する即席麺の販売禁止処分により経営が圧迫されている。4~6月期は6億4400万ルピー(約12億5600万円)の赤字に転落した。前年同期は28億7900万ルピーの黒字だった。安全性をめぐる問題により、同国で人気を誇っていた即席麺「マギー」ブランドの信用が失墜し、同社は過去30年で初めて赤字を計上することになった。現地紙タイムズ・オブ・インディアなどが報じた。
同期の売上高は前年同期比20%減となる193億3800万ルピーに落ち込んだ。マギー製品は、同社の昨年の売上高980億ルピーの4分の1に相当する看板商品。即席麺の販売禁止騒動は、6月初旬に食品安全監督機関のインド食品安全基準局が、同社のマギー製品から基準値を大幅に上回る鉛などが検出されたと発表したことが発端だ。
同社は当初、同製品の安全性を主張。当局が国内販売禁止を命じる寸前に、同社は自主回収に応じたという経緯も消費者に不信感を抱かせたもようだ。