“主役の座”新宿復権へ虎視眈々 最大の切り札は「東西自由通路」 (3/5ページ)

2015.8.23 07:02

築30~40年を超えた高層ビルが並ぶ新宿副都心の高層ビル群。企業の流出をいかに食い止めるかが課題だ

築30~40年を超えた高層ビルが並ぶ新宿副都心の高層ビル群。企業の流出をいかに食い止めるかが課題だ【拡大】

  • 複雑な案内表示がある新宿駅西口ターミナル付近(岡英行撮影)
  • 遊びやショッピング目的の人で賑わう新宿駅東口。東西自由通路の創設で、人の流れが西口に向かうことが期待される

 存在感薄れる新宿エリア

 一方、新宿は「世界一、利用者の多い駅」とギネス記録に認定されており、1日当たりの乗降客数は約358万人に及ぶ。駅には山手線や中央線などのJR主要路線をはじめとして、小田急線や京王線など鉄道12路線が乗り入れ、深夜急行を除きバスは59路線が発着するなど圧倒的な交通インフラを誇る。それでありながら、存在感は希薄になる一方。駅周辺を中心とした再開発は、新宿復権へののろしだ。

 街の活性化に向けて最大の切り札となるのが、32年の完成に向けて新宿駅で進められている、幅25メートルの東西自由通路の工事だ。

 新宿駅は線路を挟んで東側と西側が分かれており、なかなか交流が進まない。その結果、歌舞伎町や新宿アルタ、伊勢丹といった著名な施設がある東口は遊んでショッピングする街、高層ビルが立ち並ぶ西口は働く街といった固定的なイメージができあがってしまっている。このため都内で主流の複合型開発は難しかった。

しかし、東西自由通路が完成すれば、簡単に…

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