31日に締め切りを迎えた2016年度予算の概算要求は、景気動向に応じた予算を編成する狙いから14、15年度と同様に歳出上限を設けず、要求総額が3年連続で膨らんだ。財務省は年末の予算編成で約5兆円を削るシナリオを描くが、与党からの歳出圧力は強い。新たな財政健全化計画の初年度に当たる16年度予算で、巨額の財政赤字解消に向けた意思を示せるのか。政権の本気度が問われる。
7月に決定した概算要求基準(シーリング)は、歳出の大枠を示さず、要求増が予想された。公共事業などに充てる経費の要求を1割減らす一方、成長戦略に沿う政策には3.9兆円の特別な要求枠を認めるのは前年度とほぼ同じで、財務省幹部は「総額も100兆円を初めて超えた前年度並みとなった」と解説する。
政府は、歳出の3分の1を占める社会保障関係費の増加を毎年5000億円程度に抑制する目安を設定している。だが、今回の要求では高齢化の進展に伴う「自然増」を6700億円まで容認した。借金増加に伴い利払いや償還が増える国債費も過去最大を更新しており、予算圧縮に向けた視界は不良のままだ。