日本経済再生に向け、日銀は2016年度前半ごろの物価上昇率2%の達成を目指し、大胆な金融緩和を続けている。この目標達成の成否について81%の企業が否定的な見方を示し、企業の懐疑的な姿勢が浮き彫りになった。
具体的な達成時期については「しばらく難しい」との回答が38%と最も多く、以下「17年度前半」(25%)、「16年度後半」(20%)となった。
「しばらく難しい」と回答した企業からは「賃金の大幅な上昇が必要」(金融)や「ゼロ金利下では、いくら資金供給量を増やしても実体経済への波及経路は限定される」(同)、「個人消費の低調と原油安の影響で、物価上昇のペースが鈍っている」(商社)などの指摘がなされた。
1~2年前に比べた自社の製品・サービス価格については55%が「値上げしていない」とし、「値上げした」(45%)を上回った。値上げしない理由としては「(他社との)競争上、上げにくい」(通信)や「原材料や部品の価格上昇分はコスト削減で吸収している」(自動車)との回答があった。一方で「多くの品目で値上げをした」(食品)や「円安で輸入コストが上がった」(商社)という声もあった。