【TPPでこう変わる】(2)牛・豚肉、関税率大幅引き下げ

2015.10.21 05:00

 ■外食に利点 畜産農家打撃

 TPP交渉で日本の「聖域」とされた農産品重要5分野のうち、米国とオーストラリアが最も強硬に市場開放を迫ったのが牛肉・豚肉だ。関税の撤廃は免れたとはいえ、税率を大幅に引き下げることになった。

 牛肉の関税率はTPPの発効に伴い、現在の38.5%から27.5%に引き下げる。その後も段階的に削減し、16年目には9%となる。焼き肉や牛丼などの外食チェーンではメニューの値下げが期待できるが、国内の畜産農家は品質差が小さい低価格帯を中心に外国産との価格競争が激化、影響が避けられない。豚肉は高価格帯の関税を10年目に撤廃。ソーセージなどに使う低価格帯も1キロ482円の関税が10年目に50円まで引き下げられる。

 関税引き下げで畜産農家の打撃が一気に広がるのを避けるため、輸入が急増したときに関税を引き上げる緊急輸入制限(セーフガード)を設定する。だが、牛肉は16年目以降、4年間発動がなければ廃止。豚肉も12年目以降はなくなる。

 重要5分野に入らなかった鶏肉は、骨付きが8.5%、骨なしが11.9%の関税を段階的に11年目に撤廃する。殻付き卵の冷蔵、冷凍のものは17~21.3%の関税を段階的に13年目にゼロにするなど、関税撤廃が徐々に進む見通しだ。

 一方、高級和牛として評価が高い「和牛」は輸出拡大が期待できる。大消費地の米国は日本からの輸入に年200トンの低関税枠を設けていたが、発効後は年3000トンの無関税枠を設定し、15年目に関税を撤廃する。

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