【軽減税率ポイント解説】(3)事業者の経理方式 不正防止に「税額票」不可欠 (1/2ページ)

2015.11.5 05:00

 消費税の軽減税率を導入すると通常の10%と8%の2つの税率の商品が交じるため、事業者の経理方式をどうするかも課題になる。商品ごとにどちらの税率かを区分して納税額を計算する仕組みを入れないと、納税額が正確に計算されにくい。また税率差を利用して本来納めるべき消費税を事業者が手元に残して利益にする「益税」や、脱税が増えるとの懸念もある。

 不正を防ぐために自民、公明両党は「インボイス(税額票)」が必要との認識では一致する。インボイスは商品ごとの税率や税額を記した明細書で、商品の販売業者が発行する。事業者番号や請求書番号も記載され、商品ごとの税率や、いつ、誰と取引したかが一目で分かり、不正が見抜きやすい。中小・零細事業者は経理システムの変更などに伴う手間やコスト増などを理由に反対しているが、軽減税率を導入する欧州諸国などでは広く採用されている。

 インボイスの導入には最低1年半必要で、消費税率を10%にする2017年4月には間に合わない計算だ。

 このため、与党では、インボイスは数年後に導入することで一致しており、移行期間は簡易な方式で間に合わせる考え。公明党は、しばらくは現行請求書を使い軽減品目に印を付ける仕組みを提案。自民党は、売り上げの総額から税額を計算する「みなし課税」案を含めた、より簡素な方式を主張する。当面、どの経理にするかは対象品目の線引き次第で、線引き議論が難航する現状では流動的だ。

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