2015年度上期の経常収支は5年ぶりの高水準に回復した。海外投資から得られる利子や配当などの第1次所得収支の黒字が、巨額の貿易赤字を補ったためだ。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の基本合意で、企業の海外進出の一段の拡大が見込まれる中、第1次所得収支依存型がますます強まりそうだ。
第1次所得収支の黒字額拡大は、海外での債券利子受取額などが円安で膨らんだのが寄与した。一方で貿易収支は原油安で大幅に改善したが、なお赤字。12年まで長期間続いた円高局面で、製造業を中心に海外生産移転を加速したためで、円安になっても輸出は伸びにくい。
また、先行きも、貿易収支も大幅な黒字化は見通しにくい状況だ。日本の輸出総額の18%超を占める中国経済の減速が響いて、足元の輸出は伸び悩むうえ、米国が12月に利上げへ踏み切れば、新興国景気の一段の減速で輸出がさらに鈍化しかねないためだ。