日銀が12日発表した10月の企業物価指数(2010年平均=100、速報)は、前年同月比3.8%下落の101.5だった。7カ月連続で前年を下回ったが、下落幅は9月から0.2ポイント縮小した。
調査統計局は「原油価格の下落幅が昨年のように大きくならなければ、企業物価のマイナス幅は縮んでくるだろう」と分析した。
企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格水準を示す。品目別では、鉄くずなどのスクラップ類が35.4%、石油・石炭製品が27.1%それぞれ下落した。中国や新興国経済の減速による需要低迷が主因とみられる。
一方、原材料高による冷凍食品や生菓子の値上げのほか、新米の価格上昇で食料品は上がった。業務用エアコンもオフィスビルの建設増で上昇した。
公表している814品目のうち上昇は295品目、下落は395品目。下落品目と上昇品目の差は100品目と9月の107品目から縮小した。