日銀は19日、金融政策決定会合を開き、現行の大規模な金融緩和策の継続を決めた。原油安などの影響でエネルギー価格は低水準にあるものの、物価の上昇基調は続いていると判断。国内景気の現状判断も「緩やかな回復を続けている」との表現を据え置いた。
国内では7~9月期の実質国内総生産(GDP)が2四半期連続のマイナス成長となった。中国経済の減速を背景に企業の設備投資が低迷したためだが、個人消費と輸出は増加。10月の貿易収支も7カ月ぶりの黒字に転じたことから、日銀は景気の回復基調は崩れていないと判断した。
ただ、日銀は今回、企業や家計の将来の物価予想を示す「予想物価上昇率」について、従来の「やや長い目でみれば全体として上昇している」に「このところ弱めの指標もみられている」との文言を加え、事実上引き下げた。
消費者物価指数(生鮮食品を除く)は2カ月連続のマイナスで、パリ同時多発テロや米国の利上げ観測など先行きの不透明感も増しており、当面は大規模緩和の効果を見極めるとみられる。
黒田東彦(はるひこ)総裁が同日午後に記者会見し、経済・物価見通しを説明する。